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中小企業・小規模事業者ができる簡単なシステム導入・IT導入の効果測定のやり方

執筆者 黒川貴弘 黒川 貴弘
合同会社フロントビジョンコンサルティング 業務執行役員
神奈川大学非常勤講師、千葉商科大学非常勤講師、LEC東京リーガルマインド講師
中小企業診断士

システム導入する際には、事前・事後の効果測定が重要です。


システム導入の効果測定のやり方

効果測定というと小難しく感じ、 結果は知りたいけど、正しい測定の仕方がわからず立ち止まってしまう方は多いと思います。


しかし、効果測定でしっかりと結果を把握していないと、
投資を無駄にしてしまったり、
正しい結果の把握ができずに次への経営の1歩が間違ってしまったりします。


世の中のIT投資に関する方法論の多くは、
大企業向けの内容で作られており、
中小企業にはフィットしなかったりもします。


中小企業ならではの効果の考え方もありますので、
そこれも踏まえながらご紹介してみたいと思います。


ポイントは、先ほども書きました事前と事後の両面で実施するということです。


1.事前評価と事後評価

まず事前評価の目的は、IT投資前に妥当性を確認し、適切な投資判断をすることです。


目的や達成すべき事柄を明確にした上で、
投資した場合のシミュレーションをしてみることで、
投資する前にその効果を検証します。


投資金額が大きければ大きいほどリスクも大きくなるので、
確実な検討が必要になります。


次に事後評価の目的ですが、IT投資前に確認した事前評価通りの結果になっているか、
またはなりそうかということを確認します。


これは大企業にも当てはまることですが、 事前評価はやっているけど、事後評価を実施していないという企業がかなり多くいることも事実です。


事後評価は重要なデータとなるので必ず実施する意識が必要でしょう。


投資をした後に結果的にどうだったのかというポイントについては、
確実におさえておくべきです。


この事後評価の調査時期は複数段階設定した方がいいでしょう。


本番稼働直後、1か月後、半年後、1年後、3年後、5年後といった具合です。


この結果が、次への投資のための判断材料ともなりますので、 次世代のためにも資料として残しておくことも重要です。


2.具体的な評価内容(定性面と定量面)

さきほど、事前と事後の評価が重要という話をしましたが、 評価の内容として具体的にどんなことをするのかをお伝えします。


評価の内容は大きく定性面と定量面の2面からそれぞれ考えます。


定性面は数字では測れない事象。
定量面は数字によって測れる事象です。


どちらかが不足してもバランスが悪くなり、正しい評価はできなくなりますので、
常に両面から検証することが必要です。


定性面について、 ①経営戦略と一致する内容か
②BPR(業務改革)が実現できる内容か
③従業員満足・顧客満足が高まるか


といった観点で見ていきます。


①経営戦略と一致する内容か
に関してですが、経営戦略の一貫の中でIT戦略を打ち出さなければなりません。
もはや中小企業でもIT戦略は必要不可欠なものとなりました。


IT戦略の前提は、全社的な経営戦略に反するものになってはいけません。


特に、一部の従業員からの意見のみでIT導入を進めようとすると、
あるべきIT戦略の方向性にそぐわない可能性も出てきます。


慎重に判断してください。


②BPR(業務改革)が実現できる内容か
に関してですが、IT導入をきっかけに業務のやり方が効率的であったり、
あるべき姿になることが必要です。


特にパッケージソフトやクラウドサービスを導入する際には、
ITを基準にして業務改革を進めることで、
ITの導入がスムーズになるだけでなく、業務効率も上がり、
成果がみられるようになります。


それが現実的に可能なのかどうかを見定めていきます。


現状の業務分析をして今がどんな状態かを把握し、
将来の目指すべき姿を想像します。


そのギャップを埋めるきっかけとしてITが成り立つかを見ていくことで
BPRの可否が見えてきます。


③従業員満足・顧客満足が高まるか
に関してですが、従業員・顧客の両面にとって利点のあるものであるべきです。


従業員満足に関して、経営陣の要望を現場に押し付けてしまうことで、
不必要な業務負荷が増えてしまうことは避けたいです。


また、入力項目が過度に多すぎたり、 たびたびITの方針が変わったりすると現場が混乱します。


一貫したコンセプトで、現場にとっても使い勝手の良いものを選択することは必要です。


ただし、現場の意見だけですべてを判断してしまうのも危険です。


顧客満足ですが、ITの使い方をどのように変えればどのような顧客サービスが良くなるのかを考えます。


直接的なものだけでなく、間接的な部分まで検討してみるといいです。


顧客から電話がかかってきたときに、瞬時に得意先の情報を引き出せれば、
その顧客がどんな商品を購入していてどんなサポートが必要なのか確認しながら
電話応対ができるようになります。


こんなことでも、以前にできないことができるようになる見込みであれば、
顧客満足の増加につながる要素でしょう。



定量面について、
①ROI(Return On Investment)
②NPV(Net Present Value)
③KPI(Key Performance Indicator)


といった観点で見ていきます。


①ROI(Return On Investment)
に関してですが、ROIは、投資に対してのリターンがどれだけあるかを図る指標です。


リターンの部分は通常、経常利益などの利益額を使用します。


経常利益/投資額×100=ROI(%)となります。


数字が高ければ高いほど良好となりまして、 どれだけの収益性の拡大に効果があるのかが明確になります。


②NPV(Net Present Value)
に関してですが、正味現在価値法とも言われる手法です。


これは、投資によって得られるキャッシュフローに対して、 投資額を差し引いた正味額がどれだけ大きいかを示すものです。


単純な例でいうと、 5年間の中でのNPVを計算するとします。


投資額が、100万円に対して、
投資したことで毎年得られるキャッシュのプラス分が25万円だったとします。


25万円×5年間=125万円が5年間の合計です。


125万円-100万円=25万円となり、25万円がNPVとなります。


NPVがプラスであれば投資すべきという結論になります。


ただし、将来のキャッシュフローには時間的価値が存在します。


世の中には利息というものがあるので、
IT投資ではなく、投資信託などの受取利息が高いのであれば、
IT投資をしてキャッシュを増やす必要はありません。


なので、将来得られるキャッシュフローから基準となる利息分を割り引き計算(ディスカウント)することが通常となります。


③KPI(Key Performance Indicator)
に関してですが、重要業績評価指標と呼ばれる数値情報です。


KPIに関する指標はさまざまです。


用途に応じて柔軟に設定します。


例えば、ホームページに関するKPIでしたら、
「訪問者数」や「問い合わせ数」などがKPIになります。


販売管理システムであれば、「新規顧客開拓数」や「受注金額」などです。


しっかりと定量的な数値で図っていくことが必要です。


このKPIは、目標値としても機能するので、
目指すべき姿も数値情報として明確になるので、
事後評価もしやすくなります。



事前事後の評価を定性面と定量面の両面から検討できるように、
しっかり計画してみてください。




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